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ドバイノート

戦争リスク下でも揺るがないドバイの治安と不動産市場を解説

投資対象としてのドバイ
戦争リスク下でも揺るがないドバイの治安と不動産市場を解説

「ドバイの治安は本当に安全なのか?」「近隣で戦争が起きた場合、不動産市場はどう反応するのか?」
2026年2月からアメリカ・イスラエルがイランへの攻撃を開始し、ドバイ不動産への投資を検討する日本人投資家にとって治安や地政学リスクへの懸念は尽きません。

本記事では、ドバイが中東近隣地域の紛争において実際どのような影響を受けるのか、客観的なデータと信頼できる情報源をもとに分析します。市場や株価への影響を具体的に検証し、ドバイの中立的立場やその安定性が投資にどう関わるのか、メリットだけでなくリスクも含め冷静に考察します。

戦争リスク下におけるドバイ不動産市場のリアルな姿を正しく理解したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

※本記事は2026年3月25日時点の情報をもとに執筆しています。最新情報はアペックスキャピタルの公式SNSをご確認ください

関連記事:ドバイの治安は悪い?国際データで読み解く安全性とリスク

中立国ドバイの安全基盤 – スイスとの比較

中立国ドバイの安全基盤 スイスとの比較

ドバイ(アラブ首長国連邦・UAE)は、中東にありながら「安全な中立国」として存在感を高めています。スイスが長年「永世中立」を掲げ堅固な防衛態勢と国際外交の拠点構築で平和と繁栄を維持してきたように、ドバイもまた独自の中立外交と安全インフラで安定を実現しています。

実際、UAEは2025年のイスラエル・イラン間の対立に際しても「政治的・外交的解決以外に道はない」と即時停戦を強く呼びかけ、地域の「安定・繁栄・正義」の促進に尽力する姿勢を示しました。これは、自国の安全と国際秩序を重んじるスイスの外交姿勢と軌を一にしています。

他方、軍事面でスイスは国民皆兵による自主防衛を伝統としますが、UAEは最新鋭の装備調達と同盟関係による防衛力確保を図っています。

例えば、UAEはアブダビにフランス海軍基地や米空軍基地を国内に受け入れ、安全保障協力を締結しています。2024年の対GDP軍事支出はUAEが4%とスイスの0.7%を大きく上回り、油断のない安全投資で抑止力を高めています。

一方で他国への敵対行動は極力避け、実際UAEは地域紛争への関与も最小限に抑え(イエメン内戦にも2019年までに主要部隊を撤収)ています。

またドバイおよびアブダビは近年「世界で最も安全な都市」のランキング上位に名を連ねており、高度な治安維持システムと法の支配によって国内の安定を確保しています。

このようにスイス的な中立志向と高度な安全インフラの両面を備えたドバイは、中東の中立地帯・安全投資先として信頼を集めているのです。

2026年イラン攻撃がドバイに与えた影響

2026年イラン攻撃がドバイに与えた影響

2026年2月末、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が開始され、中東情勢の緊張が一気に高まりました。

この影響を受け、ドバイでは株価の下落が見られ、SNSなど一部では不動産価格の下落を懸念する声も上がっています。

しかしながら、現地では目立った混乱は確認されておらず、市場は一定の落ち着きを保っています。

株価の動き

株価の動き

ドバイの主要株価指数は2月28日に始まったイラン攻撃以降、大幅に下落しました。ドバイ金融市場(DMI)のデータによれば、3月4日にドバイ指数は4.7%下落。翌週の12日も3.6%下落し、紛争開始以降では14%以上下落しています。

しかし、3月17日には株価が反発し4.1%上昇。23日に一時下落しましたが、25日に再び4.15%上昇するなど、持ち直しの動きも見られています。完全な回復はまだ見通せないものの、中東情勢緩和の機運がさらに高まれば徐々に安定を取り戻す可能性があると考えられます。

配信記事(外部リンク):中東情勢で広がる“ドバイ不動産指数(チャート)”の誤認に警鐘。アペックスキャピタル、公式価格指数と実取引データに基づく最新市況の見方を発信

不動産取引

不動産取引

イラン攻撃を受けて株価は大きく変動しているものの、不動産市場は依然として活発です。Dubai Land Department(DLD)が公開するデータによれば、イラン攻撃直後の3月1日から18日までの総取引件数は6,556件、取引額は約6,063億円(約141億AED)に上っています。(1AED=43円で計算)

複数の報道では、ゴールドマンサックスがUAEにおける不動産取引量が前年同期比7%減、前月比49%減となったと伝えていますが、現地不動産関係者は必ずしも現状を悲観していません。

アブダビのザ・ナショナル紙によれば、ドバイでは中古物件・オフプラン物件ともに取引が継続しており、大きな混乱は見られないと伝えています。

実際3月11日にはドバイ最大手のディベロッパー・エマールプロパティーズが新規プロジェクトの発表会を開催。不動産関係者の間では「1平方フィートあたりの価格が変動するとは考えにくい」という見方もあり、イラン攻撃の中でも不動産市場への期待感は衰えていません。

現地住民の生活

現地住民の生活

イラン攻撃開始後も、ドバイの市街地では平常時の生活が維持されています。UAE政府は、イランからの度重なるミサイル攻撃を迎撃で阻止し続けています。3月10日の国防省の発表によれば、迎撃率は9割を超え、市街地への着弾を回避しています。迎撃による破片や残骸により複数の被害が報告されていますが、影響は限定的と見られています。

公共交通機関や店舗や通常通り営業し、企業はリモートワークを取り入れながら営業を続けています。情勢は余談を許さない状況にありますが、住民生活の安全はおおむね確保されています。

戦争リスクに対するドバイ経済・市場の耐性

戦争リスクに対するドバイ経済・市場の耐性

歴史的に見てもドバイの経済・市場構造は戦争リスクに動じにくい耐久性があります。

まず経済面では、UAEは産油国であると同時にドバイにおいて不動産・金融・物流・観光など多角化経済を発展させており、一地域の紛争による単一産業の打撃に対する耐性が高いことが挙げられます。

実際、イスラエル–イラン紛争による原油価格急騰(+9%超)はグローバル経済にはインフレ要因となった一方で、UAEにとっては産油収入の増加要因ともなり得ました。また通貨ディルハムが米ドルにペッグ(連動)しているため、地政学リスク発生時にも通貨安による資本流出が起きにくい安定性も備わっています。加えて政府系ファンドや豊富な外貨準備、高い信用力に支えられ、投資家はUAE経済のファンダメンタルズ(基礎体力)が揺らいでいないとみなしています。

市場構造の観点では、ドバイ市場には長期志向の投資家や政府系プレーヤーが多く、短期パニックによる売り浴びせが起こりにくい土壌があります。

事実、イスラエル–イラン紛争時にも株価急落は一時的で、湾岸諸国のソブリン債の信用リスク指標であるCDS(クレジットデフォルトスワップ)も小幅・短期的な上昇にとどまり、その後すぐ平常水準へ低下しました。この“小幅・短期的な上昇”は「仮に再度紛争が起きても湾岸経済は耐えられる」という投資家の信頼の現れだと分析されています。

UAEの大手銀行は紛争にも動じず安定的に融資を伸ばしており(第2四半期も貸出高は2024年の同時期比で8~9%程度の伸びを予測)、「イラン・イスラエル紛争も借り手の需要をほとんど減退させなかった」との指摘もあります。

またBloombergの報道によれば、紛争中にUAEから資本を引き揚げたり事業撤退を検討したりする動きは皆無で、現地の銀行・ヘッジファンド・政府系ファンド幹部ら十数名も「資金流出やプロジェクト凍結の兆候は見られない」と証言しています。むしろ政府系ファンドは従来通り投資案件を進め、海外から幹部を招く出張も予定通り受け入れるなど、「通常運転」を強調しました。

過去の事例においてもドバイは「地政学リスクが資金流入を呼ぶ」という逆説的現象を何度も経験しています。イラン・イラク戦争や湾岸戦争の際にも資産避難先として注目されましたし、最近ではロシアのウクライナ侵攻(2022年)後にドバイ不動産が世界的な注目を集めました。

実際、2022年にはロシア人投資家がドバイ高級不動産の最大顧客層となり、プライム物件価格が前年比+44%という異例の高騰を見せました。またUAE全体でも富裕層の流入が続いており、UBSのレポートによれば2024年だけで新たに13,000人もの億万長者がUAEに移住し、HNWI(高純資産層)総数は24万人超へ5.8%増加しました。

こうした国際マネー・人材の受け入れ先としての地位(セーフヘブン)は、一朝一夕に揺らぐものではありません。UAEにあるADCB銀行のチーフエコノミストは「UAEのセーフヘブン(安全避難先)としての地位は今後も続くだろう。マクロ経済の足腰は強く、改革路線も魅力的だ。我々は中期的にも資本と人口の流入が続くと見ている。今回も経済的混乱は起きておらず、停戦成立も追い風だ」とコメントしています。さらに経営コンサルタントは「UAEの安全地位が揺らぐとすれば、よほど甚大な都市攻撃でもない限り考えにくい」と指摘し、UAEのIPO(新規株式公開)担当バンカーも案件の準備は地政学リスクに左右されず計画通り進んでいると語っています。

要するに「ドバイは中東の動揺に対する避雷針」であり、多少の嵐では揺るがない市場基盤を築いていると言えます。

まとめ:ドバイ不動産市場は戦争下でも動じにくい

中東情勢の不安定さを懸念する声は根強いものの、ドバイは戦争リスクに対して高い耐性を持っています。中立的な外交姿勢と強固な治安体制、経済・市場の構造的な強さ、そして実証された実績がその裏付けです。「ドバイの治安は大丈夫か?」「戦争で不動産は暴落しないか?」といった不安に対しては、データが雄弁に「ドバイは揺るがない」と物語っています。むしろ有事の資金避難先として資本が集まり、不動産価格が上昇する場面すら見られるのがドバイ市場の現実です。

こうした安定性を踏まえれば、ドバイ不動産は日本人投資家にとっても有望な選択肢と言えるでしょう。戦争リスク下でも市場が迅速に回復・成長する様子は、他の新興国にはない特筆すべき強みです。長期的な資産形成やポートフォリオ分散を考える上でも、ドバイの安定性と成長性は大いに注目に値します。

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